訪問入浴は介護関係の分野であり、基本的に介護職員のみが行うイメージがあるかもしれませんが、看護師が無関係というわけではありません。入浴は非常に心地良いので利用者はリラックスできますが、同時に危険が伴う瞬間でもあります。脱衣した時はどうしても血圧変動がありますし、特に寒い冬は血圧が急激に上がって危険です。ただ、介護職員は医療に関する深い知識を有しているわけではないので、何らかの異変を確認した時に救急車を呼ぶのが関の山でしょう。
しかし、それでは訪問入浴の安全性が根幹から揺るがされることになります。一番大切なのは利用者の異変を看護師によるバイタルチェックで察知して、重大なトラブルが発生しないようにコントロールすることです。たとえば、血圧が非常に高い状態なのにもかかわらず、無理矢理入浴をさせると問題が発生する可能性があります。そのようなチェックをして、より安全に入浴を終わらせることが訪問入浴における看護師の役割です。入浴後の異常発生も十分考えられるので、最後まで気は抜けません。
ケースバイケースではありますが、バイタルチェックだけで終わらない可能性もあります。実際の入浴は介護職員が担当しますが、入浴前後の補助は看護師も手伝うことがあるのです。介護職員と同じように洗体や洗髪などを手伝ったり、入浴後の保湿クリームや湿布を貼る程度かもしれません。ただ、基本的に訪問入浴での看護師の役割は、介護職員の専門外の部分で力を発揮することです。